ジョン・ルーリー展

休みだというのに仕事で、ちょっとショックな現実を思い知らされる場面があったりして、
外へ出てみると、何だかまだ明るく、そのまま帰る気もしない。
そうだ、絵でも観に行こう!と久しぶりに美術館を目指した。
行ったのは「ジョン・ルーリー ドローイング展」。
もちろん、あの「ストレンジャー・ザン・パラダイス」の、だ。


あの映画の、「ドラマなんてない。続くのは何でもない日常ばかり」といった空気と、そしてそれを醸し出す個性的な俳優たちが好きだった。2回観た、と記憶している。


その主人公を演じていたジョンは、難病を患ったという。それ以降、描かれた絵が展示されていた。
印象は「ぶっとんでる」。なおかつ「神聖」。ちょっとイカれた?と思わしめるタイトル(つーのかテーマというのか)の中に、もちろん画面の中に、神の存在が呼吸している。


例えば?


「科学者は人間には魂がないことを証明して喜んでいる」
「私はいまあなたに質問しました。たった一度でいいのでお答えください」
「キリストはかつて私の庭にいた」
「精霊たちは私たちに何かを伝えようとしているが、とても曖昧だ」


その他、「武器」についていくつかの作品。


「あなたには幸福を追求する権利がある。あなたには武器を持つ権利がある」
「あきらめろ。アメリカ人は武器を持つ権利がある」
そのままの文意なのか、それとも「武器」には何かの意味があるのか…。


鳥が画面の上に向かって垂直に飛んでいる絵がいくつも記憶に残った。豊かな空の青が美しかった。